3点セット

人生を決めた15分 創造の1/10000

人生を決めた15分 創造の1/10000

フェラーリをデザインした奥山清行氏の本。



「僕は何をする場合にも「好きであること」「学ぶものがあること」「求められていること」の3点を重視している」



これと似たような言葉を以前に読んだことがある。富士フイルムがバイオビジネスに参入するときに、社長だったか事業部長だったかの発言。3年くらい前の雑誌だと思う。第何次目かのバイオブームが来てて、異業種からのバイオ参入が相次いでいたころの記事である。


バイオ業界というのは、異業種から見るとよっぽど魅力的に見えるのだろうか。過去にいろいろな他業種がバイオでビジネスに参入しては撤退していく。化学メーカー、自動車メーカー、重工業、などなど…


で、富士フイルムもバイオビジネスという異業種に参入しようとしていて、そのとき自らの判断基準にしたのが、
「やりたい」
「やれそう」
「やるべき」
という3点だった。これらの3要素が揃った条件でなら、異業種に参入する価値がある、という事だ。


この3つの言葉は言い換えると、次のようになると思う。


「やりたい」…事業/開発に対する会社としての熱意
「やれそう」…バイオ事業のベースとなる自社保有技術・シーズ
「やるべき」…需要・ニーズ・市場の目論見


つまり、「熱意」「シーズ」「ニーズ」が全部揃うかどうかが、参入成功のキーポイントである。これを読んだときは結構感心して、それ以来自分の中ではそれをことあるごとに思い返している。



で、これをさっきの引用にあてはめると、


「好きであること」…熱意
「学ぶものがあること」…シーズ
「求められていること」…ニーズ


と解釈できそうな気がする。ちょっと無理があるような気もするけどね。



「好きである」かどうかを判断する基準として、この本に書かれていたことが面白かった。



「お金がもらえなくてもやりたいかどうか」



お金をくれなかったとしてもやりたい仕事だとしたら、それが自分の本当に好きなことである。逆にお金がもらえないならやりたくない、という仕事は、自分の好きな仕事ではない、ということだ。


この本は、自分の目標探しや人生の目的を模索している若者に向けて書かれたものらしい。そういう意味で、自分の仕事を見つける基準として「お金がもらえなくてもやりたい仕事」っていうのは、シンプルでいい考え方かもしれない。