夢の将来エンジン
夢の将来エンジンという本。
過去60年の間に登場した将来エンジンとしてガスタービン、スターリングエンジン、ロータリーエンジン、セラミックエンジンの4つを取り上げ、それらの技術開発の経過を述べつつこれらエンジンが普及しなかった理由を明らかにします。
また、現在、研究されている新燃焼HCCI(均一予混合燃焼)エンジンの可能性について述べ、さらに自動車用動力として期待される電気モーターと水素燃料電池の将来について展望します。
この本を読んだわけではないが、宣伝ページをみて考えたこと。
「なぜ普及しなかったのか?」という視点は、意外と大事だと思う。
ふつう人々は、成功例からいろいろ学ぼうとする。やれスポーツ選手だ、ビジネスパーソンだ、といろいろ啓蒙書みたいなのはあるが、我々がそれらを読んで、彼らのやったように実践すれば、彼らのように成功できる、かもしれない。でも、なかなかその通りには実践できないのが、われわれ凡人である。もちろん目指す理想のひとつとして、そういったケースを学ぶことは大事である。
しかし、凡人にとってそれと同等(あるいはそれ以上)に大事(と思える)のは、必ずしも「成功」でない、いわゆる「失敗プロジェクト」から、なぜそれがうまくいかなかったのか、どこを直せばうまくいっていたのか、そういった例から学ぶことじゃないか、と思う。
ある意味悪趣味なのかもしれないが、人間は失敗から学ぶことのほうが多いと思う。成功例はひとにぎりだが、失敗例はその何桁も多いはずだ。そういう意味でも、学ぶことはたくさんあるのではないか。