コーシーの定理

複素積分において、被積分関数f(z)が、複素平面のある領域D内および積分Cで、連続かつ正則(≒微分可能)であるとき、
D内の任意の閉じた積分Cに沿う、f(z)の周回積分はゼロになる。

{\int}_{C}\hspace{3}f(z)dz=0


例えば、
右の図の周回路(原点を中心とした半径1の円)に沿う積分を考えると、

{\int}_{C}\hspace{3}zdz=0 (全平面で正則)
{\int}_{C}\hspace{3}z^{2}dz=0 (全平面で正則)
{\int}_{C}\hspace{3}\frac{1}{z-2}dz=0 (z=2で正則でないが、C内は正則)
{\int}_{C}\hspace{3}\frac{1}{z}dz=2{\pi}j (z=0で正則でない、つまりC内で正則でない)

(参考:「物理・工学のための複素積分 基礎編」)