交流解析における電気化学セルの解釈(その1)
理想的な電気化学セル(電極反応)は、右図のように等価回路を描くことができる。
(「Randles回路」と呼ばれることもある*1)。
ここで、はセル抵抗であり、電解質のイオン移動抵抗、電極の導電抵抗などに由来する抵抗成分である。また、は電気二重層キャパシタンスを意味する。、はともに電極反応に由来する成分であり、は直列抵抗(series resistance)と呼ばれ、電極における電荷移動抵抗や物質移動の遅れなどからなる。は擬似キャパシタンス(pseudocapacitance)といい、反応物の電極への移動、電極への吸着などに由来する容量成分である。
この等価回路全体のインピーダンスは、以下のように書ける。
(RC回路のインピーダンスより)
ここで
(詳しい解説はこちら)
を代入してまとめると、
(ここで
である。)
つまり
この式に、電極反応のインピーダンスから、
を代入してまとめると、以下のようになる。
(その2へつづく)
*1:J.E.B.Randles "Kinetics of rapid electrode reactions" Discussions of the Faraday Society, vol.1, pp.11–19, 1947.(筆者未確認)