交流における電極反応のインピーダンス
バトラー・ボルマー式のテイラー展開より、
バトラー・ボルマーの式を以下のように書くことができた。
注意:
ここでは還元電流をプラス(正)電流としている
また
である。
この式を、時間微分する。
ここで、交流電流
が発生しているとすると、
電極表面での反応物質濃度は、以前求めたように
(酸化電流を正としていることに注意)
と書けるため、これをおのおの微分すると
これを先のバトラー・ボルマーの微分式に代入して、(酸化電流を正として)まとめると
したがって
(ここで、
とした。)
これを(でをふまえて)積分すると、
となる。
すなわちこの反応のインピーダンスは
と書ける。
複素平面で表示すれば、
つまり
となる。
は直列抵抗(series resistance)と呼ばれ、電荷移動に伴うみなし抵抗成分、
または擬似キャパシタンス(pseudo capacitance)と呼ばれ、反応物が電極近傍へ移動したり、吸着したりすることによる容量成分とそれぞれ想定する。
この等価回路のインピーダンスは(複素平面表示で)
である(説明)。
だから、
先の式と、虚部と実部とを比較して
ここにおいて、
は、純粋に電荷移動のみに由来する単純抵抗性のインピーダンス成分なので、
電荷移動抵抗 (charge-transfer resistance)と書くことができる。
したがって書きなおすと
という関係になることがわかる。