電気化学

交流解析における電気化学セルの解釈(その4)

その3からのつづき。 これまで説明したように、上の式におけるとの関係は、 のとき (傾き1の直線) のとき (円弧) とそれぞれ近似できた。 それらを合わせた形で複素平面に表すと、右図のような関係を得ることができる。 円弧の左側がもっとも周波数の…

交流解析における電気化学セルの解釈(その3)

その2からのつづき。 今度は、 のとき(角周波数が大きくなるとき)を考える。のとき、拡散によるインピーダンスの影響は、相対的に小さくなる(電荷移動に由来するインピーダンス成分が支配的となる)。したがって、 とみなすことができるため、上の式から…

交流解析における電気化学セルの解釈(その2)

その1からのつづき。 のとき(角周波数が小さくなるとき)を考える。 実数成分()について: 第2項の分母を展開すると、 のとき、 から、 と近似すると、 第2項の分母→1 となるため、 と書ける。 虚数成分()について: 分母は実数成分(の第2項)と…

交流解析における電気化学セルの解釈(その1)

理想的な電気化学セル(電極反応)は、右図のように等価回路を描くことができる。 (「Randles回路」と呼ばれることもある*1)。 ここで、はセル抵抗であり、電解質のイオン移動抵抗、電極の導電抵抗などに由来する抵抗成分である。また、は電気二重層キャパ…

交流における電極反応のインピーダンス

バトラー・ボルマー式のテイラー展開より、 バトラー・ボルマーの式を以下のように書くことができた。 注意: ここでは還元電流をプラス(正)電流としている また である。 この式を、時間微分する。

バトラー・ボルマー式のテイラー展開

テイラー展開の一般式 テイラー展開の一般式は、以下のように書ける。 ここで である。 - バトラー・ボルマーの式 電荷移動を表すバトラー・ボルマーの式は、以下のように書ける。 ただし、とし、 平衡電位からの電位のずれ(過電圧)を、 電荷移動係数を、 …

交流電流での電極表面での反応物質濃度

電極反応における反応物濃度より 電極表面(平板電極)での反応物質の濃度、は (酸化電流を正とする) である。 交流電流が流れている場合 とおくと、

電極反応における、反応物質濃度プロファイル

電極反応が以下のように起こるとする。 反応物質の酸化体を、還元体をとし、反応電子数をとする。 またここでは、平面電極で、物質移動は線形拡散のみで起こると仮定する。 (右向きが還元反応、左向きが酸化反応) このとき、反応が進むにしたがい、電極表…