交流解析における電気化学セルの解釈(その2)
その1からのつづき。
のとき(角周波数が小さくなるとき)を考える。
実数成分()について:
第2項の分母を展開すると、
のとき、
から、
と近似すると、
第2項の分母→1
となるため、
と書ける。
虚数成分()について:
分母は実数成分(の第2項)と同じである。
分子を展開すると、
のとき
さきほどと同様に考えて、
分子→より、
と書ける。
実数成分と虚数成分を合わせて:
ここで、
は、ワールブルク・インピーダンス(Warburg Impedance)と呼ばれ、線形半無限拡散を仮定した拡散インピーダンスとして捉えることができる。このときの等価回路は、右のように書き直すことができる。
ちなみに上の式から、
という関係が得られる。
つまり、との複素平面上では、実数軸とで交わる、傾き1の直線としてインピーダンスが表される。
その3へつづく。